トップページデータノート「XXXHOLiC」ストーリー紹介(コミック版)

第168話

  ヤングマガジン:2008年48号:2008.10.27.月.発売
 
侑子の語りが続く。
 
自分がおらず小狼しか存在しなければ両親は死なずにすんだのではないか,その想いと悔いが,アヤカシを引き寄せ,より不幸になる道を選ばせる。そして,ふたつに分かれたものをひとつに戻そうとする。
飛王の元からのがれた小狼が写身小狼と東京で戦ったあのとき,それは君尋が窓から落ちたときでもあった。
「あの戦いで 小狼は,命を落としかけた」
「それを 違うけれど同じ存在として 自分でも気付かないうちに察知した四月一日は」「小狼を残す為に 無意識に 己を消そうとした」
 
{やだ}{四月一日消えちゃったらやだ}
思念が侑子を包み店の中をただよう。それは,彼ともっといっしょにいたいと願うマルとモロの思い。
「四月一日もそうよ」と侑子が返す。
いろんな人が彼を思い,彼もそれを受けとめて変わった。今は「此処に居たい」と願い,その願いが強ければ強いほど彼とともに未来も変わるのだと……。
{ありがとう主(ヌシ)様 だいじなこと教えてくれて}
{四月一日が大好きだから がんばって店を守る}{四月一日とずっと一緒にいられるように}
「‥‥ありがとう」
侑子は上を仰ぎ見つつやさしくことばを返した。
 
君尋がいる状況は,小狼が独りでいるのなら己も独りでいるべきだと自身で決めたことによる。しかし,記憶を対価として渡したため,彼自身はそれさえ覚えていない。彼の記憶のいくつかは飛王の呪いによるものであり,記憶すべてが真実というのではなかった。
「貴方の姓(セイ)は 両親が貴方を守る為につけた偽名(ナ)」「貴方の名(ナマエ)は両親が貴方への約束を込めた誓名(ナ)」
「四月一日君尋」
「君を 尋ねる」「必ず,貴方に会いに行くと」