『あなたの名字には大切な意味があるのよ』
四月一日はある少年と歩いていた。
少年は言った「最近はもう見なくなった?」
四月一日は答える「ううん。でも前よりは見なくなった。」
「じゃああんなのは・・・?」
そして寝てるときに姿は見えないが足音がどすんどすんとさせて寝ている四月一日の上にどーんと倒れ掛かってきたモノや、前髪がはねていて直そうと店の窓を見るとそこには進行方向反対側に四月一日が映っていたりしたモノの話をした。
そしてふとしたときに後ろからもしもしと話しかけてくるモノの話になった。
四月一日は言った。「でもその声に答えちゃいけないんだよね」
「うん。気付いたと分かると余計に何かしてくるからね。」
「でも・・・それって悲しい・・・」
そして四月一日は少年の方を向くと少年が誰なのか気付いた。
「きみ・・・あの骨の・・・。成仏したのにどうして?」
それはいつか四月一日の誕生日の日に成仏した少年だった。四月一日と同じくらいの年になっている。
「ここは夢の世界だからね。じゃあきみも答えてあげなきゃ。声に。」
すると近くのタバコ屋にある公衆電話が鳴った。
四月一日が受話器をとるとあの「き え る な」と言う声がした。
その声がしたかと思うと四月一日は現実世界に戻っていた。
その瞳からは涙が流れていた。