四月一日はから降り、障子を開けると桜吹雪の中に立つ侑子がいた。
四月一日はすぐ近くに寄り、問う。
「俺、夢の中で生きてるんですか?だからひまわりちゃんと百目鬼以外に会ったことがあるのが死んだ人とか幽霊とかアヤカシとかなんですか?両親の名前が思い出せないのも、ちいさい頃から知ってたはずの管理人さんの顔を思い出せないのも、キツネのおでんと甘露しか食べたことがないのも夢で生きてるからですか?
俺は・・・人間じゃないんですか・・・。」
「いいえ人間よあの子と同じ」
そして侑子は「どうして泣いているの?」と尋ねる。
「俺がいなくなったら悲しむ人が沢山いるから・・・。それに俺も悲しいし。」
そんな四月一日に侑子は変わったのね、と言う。
「夢の中で見たことでもそれが現実になることもあるから。」
そしてさらに言った。「あたしに叶えて欲しいものはある?」
「聞きたいことは沢山あるけどその時が来たら教えてくれるって侑子さん言ってましたし。」
さらに四月一日はこう言う。「侑子さんが叶えて欲しい願いはありませんか?」
すると侑子は驚き、優しく四月一日を抱きしめた。