夢の世界へたどり着く『小狼』。
その場所に、玖楼国の姫君・さくらの姿があった。
「夢の中…だな」
と彼が確認するや、またも異世界からもう一つの影が現れる。
小狼。
飛王・リードにより、ただ羽根を追うために生みだされた存在。だが『小狼』の片眼と義父・藤隆、そしてさくらとの繋がりによって一度はあたたかな「心」を持った少年。しかし今は、旅の仲間であるファイの魔力の源である片眼を奪い、その魔力と武器、そして冷徹な眼差しで、行く先の世界を血の海に変え、そこにたゆたう羽根を集める機械。
「たとえそれがどんなに辛いことでも、おれはおれがすべき事をする」
と決めた『小狼』。
「…おまえはおれ自身だから、この手で…終わらせる」
そう語った彼の剣の鋒は、まっすぐにもう一人の己に向けられていた。