4人にとって、その旅は長く、辛いものだった。そして、得るものと同時に、失うものも大きかった。記憶、時間、生命の自由…。そんな彼らが旅立つに至った「仕組まれた道筋」が、ついに侑子の口から明かされる。
首魁とされる男の名は、飛王・リード。彼の目的は、時空を越える力、つまり時間と空間を操る力を手に入れること。そのために必要なのが、玖楼国に眠る遺跡と、さくらが持つ『世界を変えうる力』だった。彼女の能力を覚醒させるため、飛王は彼女の記憶を無数の『羽根』に変えてあらゆる時空・次元へ飛び散らせ、彼女に自らそれらを拾い集める旅に駆り立てる。同時に、彼女を護るために、3人の男達を同行者として集わせた。一人は道筋を知らずして、一人は仕組まれたことを承知で、もう一人はヒトの手により創られることによって…。
だが、さくらの旅に同行するのは3人だけではなかった。この日を予測して、侑子がクロウ・リードとともに創りあげた存在。それがさくらたちにとってかけがえのない旅の仲間、モコナ=モドキだった。
侑子もまた、さくら達の旅に想いを託していた。ふたつの、未来のため。そして、世界の、在るべき形のために…。