トップページデータノートストーリー紹介【ツバサ−RESERVoir CHRoNiCLE−】

Chapitre.127−一番の望み

 タワーから、羽根を抱えた封真がやってきた。右手の羽根は、カプセルに収められている。それゆえ、小狼やモコナが羽根を察することができないようだ。
 封真は都庁から建物を酸性雨から守る羽根が消えたことを知っていた。そこで、彼は提案を出す。都庁は水を提供し、タワーは羽根を提供する。タワーの人は都庁に移り、そこで生活をすることを…。だが、羽根は元来さくらのもの。羽根を取引の材料にしようとする都庁とタワーの両陣営を、モコナは必死に制止しようとする。
 だが。羽根のせいで災いが起きたことを知るさくらは、一つの決断をする。羽根を、この地に留めること、すなわち彼女の記憶の一部は失われたままであることを…。その瞳の奥の悲しさを見た黒鋼と『小狼』は、ただ黙って彼女の決意を見守った…。
 額のジュエルから、侑子の姿を投写するモコナ。次元を越えて放り込まれた井戸の水により、再び都庁に水の潤いが取り戻される。…だが、水と共に流れたものが満たされることは、ついになかった…。