封真が持つ、「羽根のチカラを隠すウツワ」。それは、「狩人」である彼が4年前に仕事で探し出し、持ち込んだ物だった。以前から侑子を知る彼もまた、異世界を渡り歩く能力を持っていた。…兄、星史郎同様に。
星史郎の名が出たとき、神威の目が鋭くなる。星史郎から伝え聞いた「双子の吸血鬼」の話題を出すほどに、神威の形相は変わり、そして鋭い爪を封真の喉首をめがけ繰り出した。神威を上回る戦いのセンスを持つ封真はそれをいなし、神威の間合いに入る。そんな様子を見ていた侑子は、冷ややかに「貴方達兄弟は昔から問題ばかり起こすわね」と呟く。
交差する願いの対価。侑子が黒鋼に求めた水の対価は、酸性雨が降り怪獣が闊歩するこの国で、一人である場所へ出向き、あるものを取ってくること。その「対価」を果たすことに、さくらが自ら名乗り出る。その瞳には、不退転の「決意」の炎を宿していた。