トップページデータノートストーリー紹介【ツバサ−RESERVoir CHRoNiCLE−】

Chapitre.110−渡せぬもの

 不意に現れた、「タワーの奴ら」と呼ばれる7人。
 黒鋼の一撃で手負いとなった神威だが、踵を返して7人の方に歩いていく。
「機嫌が悪そうだな」
「…おまえが来たせいだ」
何度も相まみえる者同士の会話。彼らは、ビルの地下に眠る「何か」を巡って争っているようだ。
「渡さない。…奪うなら、殺す」
先手を繰り出した神威。組み手を交わし、神威の拳に吹き飛ばされた「タワー」のリーダー、封真。起きあがるときに「客か?」と言って小狼たちに手を振る封真に、小狼は何かを思い詰める表情をする。
 再び戦いを始める神威と封真。だが、タワー側のアジトに敵が押し入ったらしく、風のように去っていく。
 一方、小狼たちは先ほどの様子から「タワー」側のメンバーではないことが明らかになったようで、襲ってきた他のメンバーにも敵意が失われた様子だ。
 落ち着いたところで、黒鋼が彼らに問う。
「しかし、一体地下に何があるんだ?」
彼らは当然のように答えた。
「決まってるじゃない。…水だよ。」