トップページデータノートストーリー紹介【ツバサ−RESERVoir CHRoNiCLE−】

Chapitre.101−魔力の宿る本

 空を飛ぶ特急列車。魔術で走るというその列車のワンボックスに、彼らはいた。モコナの声まねで盛り上がるファイたち。だが、小狼とさくらの顔は晴れなかった。知ってはならない、黒鋼の過去を知ってしまった負い目の小狼。その原因が、自分の羽根探しにあることを知るさくら。口には出せず、そっと胸にしまい込む二人の姿が、そこにあった。
 列車はやがて、中央図書館がある街・ビブリオに着く。そこで、羽根が取り込まれているとおぼしき「記憶の本」があるという。羽根のチカラを感じる、というモコナ。しかし、その図書館にはどう猛な番犬と、冷徹な司書という関門があった。貸し出しはおろか、閲覧すら出来ないという「記憶の本」。過去には持ち出そうとしたものもいたが、すべて番犬によって阻止されたという。
 それでも、羽根は取り戻す。小狼の決意から導かれる結論は、一つだった。
「本を、盗みます」