トップページデータノートストーリー紹介【ツバサ−RESERVoir CHRoNiCLE−】

Chapitre.54 - 二人の神

背後から攻撃を制する声が轟いた。男達は、陣主(マスター)、蒼石(そうせき)様と声をかける。陣社に張った結界を破って入ってきた、黒鋼とファイを不審に思った結果、攻撃に至ったのだった。
蒼石は男達の無礼を謝る、そして、ここで出会ったのも何かの縁とばかりに、泊まりに来るように誘われた。
黒鋼たちは、神社と陣社の違いを教えてもらう。案内された場所は、建物・空気もとてもきれいなところ、しかし、ファイは一つ気になっていたことがあった。それは、陣社の周りの結界の多さ、そして、結界の強力さ・・・。
その事を蒼石に尋ねると、奥にある大きな扉を開けた、そこは、結界を張り巡らされた部屋、その中には、夜叉像と言われる人を象った像が置かれていた・・・。そして、蒼石は、この国で起きていることを語り始めた。
一方、小狼とサクラはきらびやかな、サーカスのように楽しげな場所に居た。サクラも凄く楽しそうだ。その中「火煉太夫だ!」との声の先の方を二人は見た・・・。火煉太夫は蓮(はす)の花へ扇子をかざすと、それはやわらかでふわりとした、火の粉を出しはじめた。一面、美しく蛍のように見える。その火の粉にさわろうとするサクラ、慌てて止めようとする小狼。鈴蘭は炎にさわっても、熱くないと教えてくれる。なぜなら守り神様が授けてくださる炎だから・・・と。しかし、次の瞬間、鈴蘭の表情は一変する。
その表情は怒りとも悔しさとも・・・。「陣社の連中が厄災・・・」言う・・・。鈴蘭は一座を護る神、阿修羅像の事を話し始めたのだった・・・。