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第26話−最後の願い

 次にモコナがたどり着いた世界は、干ばつで苦しむ砂漠の国だった。大地に降り立つや、意識を失う小狼。次に彼が目覚めるのは、その地の長老の小屋の中だった。
 4人の旅が「不思議な伝説や事件を訪ねて旅をすること」と聞いた長老は、中空に浮かぶ神殿のことを口にする。以前は大地にあったその神殿は、ある日突然天空に浮かんだかと思いきや、神が突然「ただ一つだけ、願いをかなえる」と口にする。我先に神殿へと争い走った村人は、「漆黒の神兵」の手により命を落とす。かくいう長老の孫もその一人だった。決して、足を向けてはならないと警告を受けた小狼たち。だが、神殿の中に羽根の匂いを感じ取った彼らは、その言葉に反して足を運ぶことを決める。
 月がまぶしい夜。「自らの願い」を顧みるファイと黒鋼。元居た世界へ戻りたい黒鋼と、元居た世界にいた人が追ってこない場所へ行きたいファイ。そして、一途に羽根を追い求める小狼。
 神殿への階段を上る4人が敵と遭遇するのに、そう時間はかからなかった。現れた敵に心当たりがある小狼。それは、サクラの体から記憶のツバサを奪っていった者たちの姿だった。斃しても次々と現れる敵たちを前に、ファイは一人その場所に残る。
 神殿の中も、敵の巣窟だった。戦う間に、その先へ続く通路の扉が閉じていくことに気づいたサクラ。「時間稼ぎ」という敵の真意に気づいた小狼は、黒鋼に促されるまま、サクラと二人でその先の広間へ向かう。
 広間に鎮座する神の像。その掌の上には、彼らが追い求める記憶の羽根があった。不意に背後から現れた、強敵と対峙する小狼。彼は、サクラに願いを捧げることを促す。口にせずとも、彼女の真意を解する小狼。その願いが、彼女自身の幸福や自分たちの願いをかなえるものではなく、神殿への道半ばで命を失った者たちをよみがえらせることであったとしても。
 異世界の、別の場所。彼らの旅を遠見する飛王と星火。二人は謎の水槽で眠る少年を見ながら、謀議をかわしていた。眼帯をした、少年の姿。それは小狼の姿と酷似していたのだった…!