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第24話−死闘のヤイバ

 崩壊していく小狼の躯。その躯にすがりつくサクラ。運命を共にする覚悟を決めたその瞳と共に、二人は消えさった。
 サクラの羽根の力をかざす星史郎。月は紅色を帯び、鬼児たちが再び活性化する。鬼児たちがより集まって生まれた、「イの3」と呼ばれる鬼児。そんな強敵相手に、座禅を組んでいた黒鋼は鞘から刀を抜くや、一振りで両断する。
 なにやらたくらむ星史郎。再び起動した羽根の力により、黒鋼、龍王、そして織葉の姿が、フェードアウトしていく。。
 
 「…ゲスト番号辺得多435691、死亡。桜都国より強制退去になりました。」
 「夢卵」の夢の中から醒めた、小狼。ファイ、そしてサクラの無事を確かめ、まずは安堵する。
 桜都国は仮想現実(ゲーム)の中の世界であり、実際はエドニス国のフェアリーパークに居た。彼らはフェアリーパークの管理人である千歳から事実を知る。彼らがこの国に来た時の記憶は、ゲームを楽しむために書き換えられていたことを。しかし、星史郎の「願い」は、「ゲーム」を「リアル」に変える力を持っていた。鬼児の頭上に立つ星史郎。そして、桜都国の容姿のまま現実へ戻ってきた、龍王たち4人と黒鋼。黒鋼は星史郎の眼を見て悟った。
「…ありゃぁ、殺すモノの眼だ。アイツがあそこにいて、小僧が戻ってない。…後はオレの勝手だ!」
 
 星史郎と対峙する黒鋼。ファイと小狼を「殺した」ことを聞いた彼は、静かに「わかった。テメエは、オレが斬る。」とつぶやくと、長剣・蒼氷を抜く。その鋭い剣筋は、星史郎のマントを両断する。黒鋼の実力を認めた星史郎は、懐から眼鏡を取り出す。それは、彼が「本気」であることのシグナルなのだ。
 
 小狼、サクラと再会した、龍王、譲刃たち、そしてモコナ。しかし、再会を喜ぶ間もなく、鬼児の攻撃が襲い来る。ゲームではない世界で鬼児の攻撃を受ければ、すなわち本当の死に至るおそれもある。しかし彼らは果敢に攻め出る。小狼の、羽根を取り戻したいという熱意を感じて。
 
 星史郎と黒鋼との対決は、両者とも一歩も引かぬものだった。黒鋼は星史郎をニホン国では決して出会えなかった「強者」と認める。星史郎も、黒鋼の「呪」を見抜き、それでも殺める決意を見届ける。まさに、一触即発の事態!
 だが、勝負は思わぬ形で結末を迎える。モコナがはき出した立て札。そして周りを見ると小狼とファイの姿が。戦意を喪失した二人だが、星史郎は再び羽根を高々と掲げ、そして唱えた。
「さあ、出てきてください。イノ1と呼ばれる、最強の鬼児よ!」
 現れた最強の鬼児。それは、黒鋼やサクラも知る、あの女性の姿だった!