トップページデータノートストーリー紹介(コミック:原作版)トップページ・もくじ

第22話−消せないキオク

 公園で見かけた、白いフードをかぶった「新種の鬼児」とされた人物。それはかつて小狼に戦い方を教えてくれた、星史郎だった。星史郎が操る鬼児から逃げ出してきた小狼と龍王。しかし、その後も小狼の顔色は冴えない。
 新種の鬼児を見ても、「市役所からの通達がない」ことを理由に、「イの一段階の鬼児」を倒すことに固執する龍王たち4人。彼らに違和感を感じた黒鋼とファイ。二人は「新種の鬼児」と目されている人物がサクラの羽根を持つ可能性があると見ていた。
 翌朝。黒鋼と小狼は市役所へと向かった。新種の鬼児に関する情報を渇望する小狼。しかし、市役所の「すぐやる課」は素っ気ない態度だった。新種の鬼児は存在しない、鬼児を従える者の情報は教えられない−。その中でも何とか聞き出せた事柄は、鬼児狩りにしか入ることができない、生還率7%未満のという魔物が巣くう塔、「小人の塔」のことだった。
 塔の中は暗闇の中だった。視界も利かぬ中で、襲い来る鬼児たち。黒鋼の剣、そして小狼の機転を駆使しながら、二人は塔の最上階を目指す!
 たどり着いた場所には、愛らしい二人の「コビト」。等身は低くても体は大きな「すもも」と「琴子」。二人は鬼児に関する真実を語る。「鬼児を従える者」とは「イの一」。圧倒的な力と、特殊な能力を持ち、唯一人の姿を持つ鬼児。そして、「干渉する者」のこと。それが小狼が追う、フードをかぶった人影のことだった。近日市役所が所在を突き止め、排除するだろう、と琴子は語る
 そのころ、喫茶・猫の目。「自分ができることだけでもがんばりたい」− 切なるサクラの思いと裏腹に、彼女の体調は芳しくない。皿洗いを終えるや、意識がとぎれた彼女をソファに横たえたファイ。そこに、一人の人物が訪れる。フードをかぶったその男は、ファイにこう尋ねた。
「ここに、鬼児狩りが居ますね。」
その容姿、問いかけに、ファイの眼差しが瞬時に変化した。