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第20話−午後のピアノ

 翌朝。黒鋼から剣技を教わることになった小狼は、二人で刀剣屋・「長庵」に向かう。店の主人の薦めに従うままに、黒鋼は長剣「蒼氷」、小狼には「緋炎」という名の剣を手にする。
 剣を手にした二人は、早速特訓をはじめた。まず、黒鋼が「おまえが斬るべきものを斬れるようになるまでは」と蒼氷に封印を施す。そして、左目よりも視覚がない右眼の方が時に素早く反応できていることを見抜いた黒鋼は、左目も気配だけで動けるよう、池の上の浮き石に小狼を立たせた上で小石を投げながら厳しく指南する。 
 一方、喫茶「猫の目」。そんな小狼の頑張りに触発されたサクラも、ウェイトレスとして大ハリキリ。玖楼国の王である兄と神官によく似た二人を皮切りに、桜都国の歴史や伝説など、羽根にまつわる情報集めに勤しむ。夕暮れ時、ファイが市役所へ出かけた間に、思わぬ来客が訪れる。バー・白詰草の歌姫、織葉だ。「あなたの歌を聴かせてちょうだい…歌は人のすべてを映す鏡よ」。織葉が弾くピアノの旋律に合わせて、詩を口ずさむサクラ。メロディに心を奪われつつも、切なく唄う歌声には、失われたはずの小狼との思い出が詰まっていた。
 修行に疲れて帰ってきた小狼。彼の傷を癒そうと部屋に入ったサクラだが、彼女もまた昼の疲れで彼のそばで沿い寝てしまう。そんな様子を、「違う世界」で分析する謎の女性の姿。織葉とともに居たときからずっとチェックしていたその正体は…?