[1082] 
セイカ  平成18年8月23日(水) 12時29分
スト紹、させて頂きます。ご参考にどうぞ。
ファイの体内に入った血、其れは彼の体の造りを変える。
激痛に彼は苛まれ、手を伸ばす。
「押さえろ｣
彼に血を与えた吸血鬼は言う。
痛むのは、当たり前。けれど、辛いだろう。そう察した吸血鬼の片割れは都庁のメンバーに席をはずす様頼む。
『もうひとりの小狼』は黒鋼に言われて、桜を抱える。万一のとき、彼女に被害が及ぶのを防ぐため。
苦しむファイを見て、黒鋼は問う。
左目はどうなるのか、と。神威は答える。
吸血鬼になる前の傷は治癒しないから抉られたなら空ろなままだと。
次元の魔女ー侑子は言う。
吸血鬼は不死身ではないし、太陽も聖水も弱点ではない。双子は原種だから驚異的な治癒能力を持ってはいるが、後天的なものは少し人間より丈夫で、老化が遅いだけだ、と。「ファイは元来強大な魔力の為に長命だからそれはあまり変わらない 既に 黒鋼 貴方の何倍も生きてるしね」
今までと違うのは餌の血を必要とすることだけだという。
神威は驚く。そんなことも知らずに黒鋼が餌になると承知したことに。
黒鋼はファイの死期がすぐそこまで迫っていることを知っていた。それに、彼はファイを信用していた。そのファイが助けを求めたから、だったのだ。
「もうひとつ」
魔女は言う。
奪われた左目を取り戻せばファイの魔力も戻る。そうすれば吸血鬼の血を打ち消せる、と。
「ファイの左目が戻れば貴方の餌としての役目も終わるわ｣
侑子は、黒鋼を試していた。その覚悟を。
ファイは、黒鋼を見上げる。
そして、倒れた。
「もうだいじょうぶだよ」
昴は言う。
「少し眠らせてあげようね｣
「ありがと・・」
モコナは神威にお礼を言う。
モコナはファイを慮る。
ファイは優しいからこれからきっと辛い。でもやっぱり死ぬはいやだ、とモコナは言った。
「けれど」
左目が戻らなくてもファイには黒鋼の血を飲まないという選択もある。笑っていても、彼が納得したとは限らない。
分かってる、と黒鋼は答えた。
そして、彼はファイを抱えたまま立ち上がる。
地下に水を戻すために。
「おまえもこい」
そう言われた小狼は、桜の顔の涙を、そっと拭いた。
双子の吸血鬼も責任を感じて同行する。
雨は降り続いている。
神威は異変を察知した。
地下に向かい、歩く一行の元にタワーのメンバーが現れたのだ。
そのリーダーは飄々と言う。
「何だか増えてるな 人数が」
それが抱えていたものは、
桜の、羽根。
後で感想を書き込ませて頂きます。
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平成18年8月24日(木) 02時03分
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