トップページデータノートストーリー紹介【ツバサ−RESERVoir CHRoNiCLE−】

Chapitre.208−届かぬ刃

#ここでは写身小狼を「写身」、東京国以降の小狼(『小狼』)を「原型」として表記します。
 魔術、そして剣術。いずれも、写身の彼が放つ技は原型(オリジナル)のものを超えていた。彼が与えたダメージは次第に小狼を蝕み、そして…剣を弾き飛ばす。倒れたその身に、すかさず右脚を載せて自由を奪う。
 「小狼君!」
 絶体絶命の窮地に、ファイの悲痛な声が響く。しかし、飛王はなおも彼らの元へ刺客を送り、行く手を阻む。
 鋒を眼前に突きつけたまま、写身は原型に向けて告げる。
 「…おれは、おれがすべき事をする。」
 そして…、手にした剣をまっすぐに、そして確実に真下へ突き立てる…!
 「!!」
 血相を変えて、小狼の元へ駆け寄る二人。写身は彼らを一瞥し、そして…左手から魔法弾を放つ。より威力が増したその一撃は、ただ二人を吹き飛ばすのみならず、遺跡を廃墟へと変えるほどの力があった。
 水場を血の海へと変えた写身。彼は、動かなくなった原型の胸ぐらを掴み、その顔をたぐり寄せる。そして…、耳元に何かを囁くや、そのまま左手で彼を引きずりながら飛王の元へ歩み出した…。