これまで心の奥に留め、決して他人には片鱗すら見せようとしなかったファイの過去。それまでベールに包まれてきた、黒歴史ともいえる1ページ1ページが、アシュラ王の手によってこれまで共に旅をしてきた仲間に暴露される。以下、その概要−。
- ユゥイの願いは、死者を蘇らせること。その願いが叶うまでは、他人を殺めても死ねないと自らに課している。
- ユゥイが現在名乗る名前、「ファイ・フローライト」はアシュラ王が付けたもの。フローライトはファイと共に水底に沈めたセレス国の護石(まもりいし)のこと。
- ユゥイの旅は、飛王が仕組んだものであること。
- 黒鋼の旅立ちもストーリーに組み込もうとしたが、侑子に先んじられたこと。
- 飛王がユゥイに課した使命は、さくらが羽根を集め再び玖楼国へ戻るまで守ること。
- 飛王の入れ知恵により、セレス国に落ちる羽根のうちの1枚は、魂を亡くしたファイの躯を保存するために用いたこと。
すべてを知った黒鋼は、掌に納めた長剣を引き抜いた。その瞳には、どこまでも冷たい怒りの火が点されていた…。