トップページデータノートストーリー紹介【ツバサ−RESERVoir CHRoNiCLE−】

Chapitre.140−歓喜なき勝利

 小狼が決めた一撃。それを、四人はそれぞれの見方で見ていた。
 トーナメント主催者の一人であるイーグルは、戦いの「真打ち」登場と認識。黒鋼は、去っていった「愛弟子」がそこにいるかのように目を見張ると共に、そうではない現実に対して彼なりに心を砕く。さくらは、彼の仕草や姿形に、もうひとりの小狼の姿を想起する。それはまるで、恋する乙女のようであった。
 一方、さくらのナイトであることを決めたファイだが、そんなさくらの切なさに触れ、伏した彼女に手をさしのべる。と、そこに彼が遠い世界に置き去りにした少女からのシグナルを受けとる。
 「王様、起きたよ。」
 恐れていた、しかし覚悟していた一言。緊張が、彼の身体を迸る。