トップページデータノートストーリー紹介【ツバサ−RESERVoir CHRoNiCLE−】

Chapitre.136 - 盤上の騎士達

 虚ろな瞳のサクラ。その首には鋭いトゲの付いた重厚な首輪が付けられ、拳大の鎖に繋がれていた。小狼達も同様に鎖で繋がれている、ただ一つ違うのはサクラだけは一段高い場所にある、ひび割れた卵のような中で座っている。サクラ達から離れた向かい側には気迫十分な輩が待ちかまえていた。彼らも同じような配置で同じく鎖で繋がれていた。READY GO!!のかけ声で、双方は勢い任せに鎖をちぎり、格闘を始めた!!ただしサクラを除いて・・・。
 この世界は観光都市インフィニティとよばれ、そこは『チェストーナメント』とよばれる賞金も出される戦いの格闘場だった。それらの戦いぶりを見物する謎の三人組。彼らはサクラ達の戦いを分析し、サクラをマスター、小狼達をピースとよんでいた。マスターの精神力がピースの実力をひきだすようだ。そして、チェストーナメントにまつわる黒い話をはじめた。
 小狼達の戦いを見つめるサクラは、『砂の国』での出来事を思い出す。倒れている人、嗚咽を漏らす人、羽根のことを口にする人、全てがサクラの記憶に残り、サクラの真っ直ぐな眼差しをさらに鋭くしたのだった。