音を立てて、手に入れたものを咀嚼する少年。口にしたものを飲み込んだとき、彼の右目が琥珀から美しい蒼色に変わる…。さらに左手に掴んだ魔術師のもう片方の瞳に手をかけようとしたとき、そばにいた忍者が少年の腕を奪った。
「喰ったのか、そいつの目を。」
心を失った少年は言う。魔力の源は、両の蒼い眼。羽根を取り戻すために、必要なものは手に入れる、と。
制止をものともせず、そのまま眼に齧り付こうとする少年。それを、力任せに壁へと放り投げた忍者。彼は知っていた。少年と旅をする中で、凍てつく心を溶かしてきた、魔術師のことを。少年と、記憶を失った姫君が、少しでも長く笑っていられるよう、時に自らに課したタブーをも破って接してきたことを…。
すべての言葉、あらゆる感情が届かない、変貌した少年を前に、忍者はついに激昂する。
その時…、時空と次元を越えて、もう一人の少年がついに彼らの眼前に現れる!