トップページデータノートストーリー紹介【ツバサ−RESERVoir CHRoNiCLE−】

Chapitre.58−天の世界

 再び紗羅ノ国を襲った大地震。
 そして、割れゆく空。その彼方にあるのは、すさまじく強い殺気の塊。
 陣社の男たちが『すべての元凶』と怒りと憎しみを募らせる阿修羅像を前に、『そうじゃない!』と否定したい鈴蘭。もし阿修羅像が本当に凶事を巻き起こすものなら、もう二度と『あの人』に会えなくなってしまう…!そんな切なる想いから流れた涙。それが阿修羅像の頬に触れた瞬間…、阿修羅像の額に『第三の瞳』が現れ、一直線に天を指す光が現れる。
 そのとき。さくらの手を離れ、宙へ浮かぶモコナ。
 
「…この世界に羽根…ない。でも、あの世界に羽根…ある。」
 
 そう言うや否や、モコナの口が大きく開く。陣社のファイ、黒鋼、そして遊花区の小狼、さくら。
 再開を果たさぬまま、二人と別々に移動することになった小狼は、二人と全く別の世界に落ちることを強く危惧する。
 
 モコナがいざなった世界で目にしたもの。それは麒麟にまたがった、生身の阿修羅の姿だった!
 そして。
 阿修羅が決着をつけるべき相手、夜叉族。
 ユニコーンにまたがった夜叉。そして、その隣に従うのは、なんとファイと黒鋼であった!