トップページデータノートストーリー紹介【ツバサ−RESERVoir CHRoNiCLE−】

Chapitre.14−旅立ちの時

さくらの羽根を取り戻した小狼たちは、正義と共に風月でお好み焼きをつつく。
これまで己とその功断の弱さに引け目を感じていた正義は、暴走した功断の中から自らさくらの羽根を渡せたことに感涙にむせていた。「誰かのために一生懸命になれる」、そんな強さを実感しながら…。
そこに笙悟達がやってくる。笙悟は小狼の力に感服し、素直に負けを認めたのだった。
そして別れ際、笙悟はそばにいた正義にこう話した。
「入らねぇか、うちのチーム」…
あこがれていた笙悟にまで認めてもらえた正義。その様子を、背中で優しげな笑みを浮かべながら見る小狼。
しかし、空汰たちの元へ戻った時、再び彼の顔が曇る。
たしかに手に入れた羽根によって、もうろうとしながらも意識を取り戻したさくらだが、相変わらず小狼のことを思い出す様子はない。それどころか、小狼のことを意識もしていないようだ。
複雑な思いでうつむく小狼。その背中から、黒鋼がつぶやくように言い放つ。
「下を向くな。…やらなきゃならねぇことがあるんなら、前だけ見てろ。」
…そして。ついにやってきた別れの時。空汰と、嵐と、阪神共和国の風景と、そして阪神共和国で共にいてくれた炎の功断と。
いろんな出来事、いろんな出会いをかみしめながら、小狼は心の中で「ありがとう」とつぶやいた。
次の瞬間、彼らは市場の雑踏の中に落ちていった。突然の出来事にざわめく群衆。そこに大男が歩み寄る。その様子から、どうやら役人のようだ。
「なんだこいつら!どこから出てきやがった!!」
男はさくらの手を引っ張る。そこに間髪入れず跳び蹴りを頬に喰らわした小狼!
たちまちのうちに騒然とする周囲。一触即発の状態に現れた謎の人影。
「やめろ!!」
果たしてその声の実体は?