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第34話−終わりなきイクサ


 共鳴する阿修羅像と夜叉像。そして、割れゆく空。その先に感じるのは、禍々しい気配。「災いの元凶は、阿修羅像に」…そのことを否定しつつも不安な鈴蘭。夜叉像を祀る一族の主、蒼石との間にこれ以上の確執が起こることを懸念した彼女の頬を、意図せぬ涙が伝う。その雫が像に滴り落ちたとき…、一つのキセキが起きる。2つの像から、天に向かって放たれる光。その先に、羽根の波動を感じたモコナ。いまだ4人が巡り会えぬまま、次元を超えるための力が再び発動される。
 
 その先の世界で小狼とサクラが最初に見たものは…、血のように朱く、大きな月だった。その月影には、中性的な美しさを持つ武神・阿修羅の姿があった。
 その地では…、阿修羅が率いる軍がもう一つの軍、夜叉族と戦いを繰り広げていた。その敵軍の将には、黒鋼とファイとおぼしき姿が!だが、月が中天に昇りきったそのとき、小狼とサクラ、そして阿修羅が率いる一族は瞬間移動する。月が夜空に現れ、天心に昇りきるまでの間、月の城で刃を交える2つの軍。長きに渡り、戦いを続ける理由、それは月の城を手に入れ、望みを叶えるためだった。
 阿修羅に招かれ、城へやってきた小狼とサクラ。阿修羅王の後ろに立つ侍従が持つ弦楽器に興味を示した彼女は、勧められるまま楽器を手にして美しい音色を奏でる。一方、小狼はモコナに羽根の在処を尋ねる。モコナは答える。「一番強いのは、あそこ。…あの空に浮かんだ、お城…。」
 
 翌朝。戦場で出会った2人とモコナの言葉が気になる小狼は、阿修羅王に月の城の戦いに同伴させてほしいと願い請う。
 戦場で出会った2人は、小狼の言を聞かず突然襲いかかる。斬りかかった相手が黒鋼かどうか気になる小狼。繰り出される技、手にする長刀はまさしく彼のものだ。だが、異なる瞳の色に加え、相次ぐ攻めの太刀筋に確信が持てない。攻撃をかわせず、直撃を受ける小狼。その窮地に割って入る阿修羅王。「らしくない」行為に、夜叉王も必殺剣・夜魔天狼剣を発動する。
 拮抗する阿修羅王と夜叉王。そして二人は無言のまま対峙し、互いを直視する…。