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第9話−妖しきオンナ

 サクラはどうして無謀にも単身で城に乗り込もうとしたのか?−そして、どうして領主が突然強い力を得たのか?…その答えは「サクラの羽根のチカラ」にあるとにらんだファイ。異世界では時間軸すら異なると考えた彼。その推理を受けて、小狼は城へ乗り込む決意をする。だが、城には秘術が施されていて、そのままでは足を踏み入れることすらできない。その鍵を持つのは−モコナと、侑子。モコナの「通信能力」を介して侑子と相談した彼らは、ファイの魔術具と引換に「ふしぎな黒いボール」を手に入れる。
 その話を横で聞いていたチュニャン。母を領主の手により亡き者にされた彼女は「敵討ちに」と意気込むが、小狼はその手を振り払う。「…たいした秘術も使えないからか…?」そうつぶやいて悔しがるチュニャンを、サクラは小狼の意は別のところにあると諭す。 
 秘術を破り、城内に入った小狼、ファイ、黒鋼の三人。ループの回廊のワナを見破り、彼らは妖艶な女性を目にする。
 その女の名は、キイシム。亡きチュニャンの母すら御せない力を持つが、羽根の力で領主の城の一室に閉じこめられたという。
 キイシムが操る秘術は、幻(まぼろし)。「ただ美しいだけではない」その力により生み出された紫色の液体は、衣服のみならず体をも溶かす。「目に見えるものすべてが本物とは限らない」その空間で、手短にあった灯具をバットにして打ち返すファイと黒鋼。
 「小狼くん、モコナと一緒に先に進んで。」ファイは小狼にこう話しかける。魔力が薄い場所=部屋の上空に出口があると見たファイは、黒鋼の力を得て小狼を送り届ける。だが、残された二人にはさらなる危機が訪れる。さらに大きな塊となったアヤカシの液体。さらにはそれが雨のように襲いくる…。
 
 「次のフロア」へと進んだ小狼は、さらなる強敵と邂逅する。秘術により、筋肉を増強した領主の息子、ブルガル。触れずとも、拳圧で壁を破壊する強大な力を前に、小狼は苦境に立たされる。
 
 そのころ、チュニャンの元には、先頃街で会いに出かけたレジスタンスの一同が武器を手にしてやってきていた。首謀格の空汰と嵐に、城への討ち入りを共にしたいと訴える彼女。だが、今度はサクラがそれを制止する。「あなたには、ほかにやることがあるわ。」という真意は果たして…。