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第4話−汚れなき放浪

 小狼たちがサクラの羽根を探すために街へ出た後のことだった。嵐の目が離れた間に、突然サクラが目を覚ます。服を着替え、いずこともしれぬ『冒険』へ出かけた彼女だが、その姿を蟹夫がめざとく見つけ出す。笙悟との縄張り争いのために、強い功断を宿す小狼たちをなんとか自陣に加えたい彼は、サクラをおとりにおびき寄せたい考え。
 記憶の羽根を失ったサクラの行動は、無邪気であどけないものだった。蟹夫が連れて行ったお好み焼き屋「星月」では口元にソースをつけながら味わい、蟹夫のアジトをみた第一声は「広〜い」。仲間に愛想を尽かされ涙した時には優しく声をかけ、笑顔を向ける。そんな屈託のない姿に、彼は改心を決意する。チームを解散することを、笙悟に打ち明ける蟹夫。だが、彼らの目が届かぬうちに、サクラは波止場のクレーンの上を彷徨い歩いていた。
 一方、嵐からサクラが家から居なくなったことを聞き、いてもたってもいられない小狼。彼の元に、お好み焼き屋で蟹夫と共にするサクラの姿を見た正義が駆け寄ってきた。正義は自分の功断の特技・人捜しの力を発揮し、小狼たちと共に彼女のもとへとたどり着く。
 功断を使い、クレーンの上から連れおろされたサクラ。いずこともなく感じた羽根の波動に反応するように、サクラの身体は空を舞い、飛び立つ。しかし、力を失った彼女は宙で意識を失う。
 間一髪、小狼の腕に抱えられたサクラ。再び小狼の前に現れた笙悟は、彼との戦いをまたの機会にすることを告げてその場を去る。そんな彼らの姿を、遠目に見つめていた少女の姿があった。