1931 《xxxHOLiC・籠》第202回:スト紹です

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■ 《xxxHOLiC・籠》第202回:スト紹です
黒鋼(ツバサ) [1931] 黒ジィ フレンドメール訂正Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; ja; rv:1.9.2) Gecko/20100115 Firefox/3.6 2010/03/10(Wen) 01:28
「あー つまんない」
重ねたクッションに身を投げ出した女郎蜘蛛だったが,すぐはね起きた。
三味線をすぐ弾いてと言われ,宝物庫にあるからと答えた君尋は,
「居るじゃない そこに」
指さす先に引き戸に立てかけた三味線があるのを見て,驚いた。

てぃんててん てぃん…
ガラスのひさげ〔提子〕と杯を横に,君尋が縁側に腰かけて三味線を爪弾いている。
ふと,横を見る。
「今日のお客は なかなか大変だったようだね」
遙が腰かけてタバコを吸っていた。
モコナと管狐とで洋酒の良いのを10本は空けた。蟒蛇(うわばみ)には蜘蛛もありか。君尋がぼやく。
「その間 四月一日君はつまみ作りに精を出したと」
遙が笑いながら言う。
君尋は,「あと これです」とため息をついて弦を鳴らし,2曲しか弾けないのに別のをとか,モコナは演歌やアニソンを要求するしと,てんまつを語る。

そして,手元に目をやったまま,ふっと言った。
「‥‥女郎蜘蛛に言われました」「眼鏡 もう いらないんだろうって」
「そうだね」「君の左目は ある意味もう視力で『視て』いるわけではないから」「だからだろう」
君尋は,あってもなくても同じだからはずし忘れてしまうと言ったあと,心の内を話した。
お客として侑子に会ったひとが彼女を知らないと言ったとき,怖かった。さらに,雨童女が言っていた「存在自体あり得ない」の意味がわかり,信じていた両親の記憶や過去が事実かどうかわからなくなり,もっと怖くなった。知らない間に侑子のことを全部忘れ,記憶からも消えて,でも自分には消えたことさえわからないとなったらと考えて,本当に怖かった。
「だから,あのひとのものを身につけているのかな」「出来るだけ忘れないように」「もし忘れても思い出す寄す処(よすか)になるように」
「全然 似合ってないのは分かってるんですけどね」
「そんな事はないよ」「煙管(きせる)を吸う姿も堂に入ったものだ」
「それに,もし今は似合わないとしても 時が経てば身に馴染む」
「不安定な自分が周りに与える影響を最小限にする為に 自分の中の時間を止めて この店に籠もって」
「その為,強くなる力は 止めずに更に育てて 静や小羽ちゃん,他に少しでも君に関わるひとたちを助ける事に使って」
「そして あのひとの願いを叶える為に ずっとここに在(い)る」
「君はそれを選んだんだろう」
「‥‥はい」と,君尋。

「さて」「願いを叶える術(すべ)と煙管は上達したが」「そっちはどのくらいのものか 聴かせて欲しいねぇ」
まだ2曲しかとあわてる君尋に,口説くにはじゅうぶんと言い,羅宇屋(らうや)と同じことを言うと返される。

君尋は曲を弾きはじめた。
遙が,三味線は君尋を気に入っているようだと言う。その割には宝物庫から好き勝手に出歩く,と君尋。猫は気まぐれなものと応じる遙。
曲は,その三味線が教えてくれたうちの1曲だった。「粋だねぇ」と言う遙は,唄つきでと持ちかけるがそこまではとこばまれると……。
「逢うて」
みずから唄を節に乗せていった。
「逢うて 嬉しや 別れの辛さ」てぃん てぃてぃん てぃん… ててぃいん
「逢うて 別れがなけりゃよい」てぃん
てぃてん てん てぃぃん
「惚れりゃ しょうことがないわいな」
てぃ…ん
杯の酒には,紅い月とあのスカートのようなものとが映っていた。
□ Re: 《xxxHOLiC・籠》第202回:スト紹です
小狼(カードキャプターさくら) [1931.1] 中佐 (69回)
昇級まで31回 ちょこ フレンドメール訂正Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; .NET CLR 1.1.4322; .NET CLR 2.0.50727; InfoPath.1; .NET CLR 3.0.04506.30; .NET CLR 3.0.4506.2152; .NET CLR 3.5.30729) 2010/03/10(Wen) 09:01
先週のスト紹介に「四月一日が何をやっているのかわからない」とレス付けたのが今週で説明されているようですが…(苦笑)
あまり突っ込みたくないのですが結局この話は同じところでとまってるようですね^^;
侑子さんの真似をしているのも四月一日いわく「似合ってないのは分かってるんですけど」って自分で良く分かってるじゃんってそこは心の中で思いました^^;
それで店の力で四月一日は願いをかなえたり出来るんでしょうか?でももともと持っている力もあるんでしたよね?
ていうかこの言い方だとやっぱり店がなくなったら四月一日は消えちゃうとかですか?
百目鬼遙さんが言うには
回りに与える影響を最小限にするために留まってるとかですけど…彼、店に来る前には学校とか行ってたはずですが、ひまわりちゃんも四月一日に学校で会ったんだし…そこらへんはもうどうでもいいのか^^;ここで聞いてみてもしかたないですよね…でもここでぼやいたら来週先生答え書いてくれるかしら…?
□ Re: 《xxxHOLiC・籠》第202回:スト紹です
乾闥婆王(聖伝) [1931.2] 中尉 (13回)
昇級まで2回 ずんける リンクフレンドメール訂正Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 6.1; ja; rv:1.9.2) Gecko/20100115 Firefox/3.6 2010/03/10(Wen) 23:53
ずんけるです。
前回の話で「眼鏡」の話題が出ましたが、今回その内容をフォローするような記述。…でも。眼鏡を掛けている身には、「眼鏡を外し忘れることがある」には少し違和感。…寝るときに外し忘れてたら寝にくいし、起きたときにはまず変形しているし…。
ってそんなツッコミはどうでもいいとして。

>「粋だねぇ」
あの小唄が「都々逸」なるものである事すら識らなかったずんけるですが、その唄がXXXHOLiCの世界にこれまたマッチすることに一層の驚き。
…『必然』という言葉を第一話で説いた『XXXHOLiC』という作品ならではの作り込みに惚れました。

>「もし忘れても思い出す寄す処(よすか)になるように」
自分の色とは異なるものを身につける事って、一見して他人には分からないけれども当の本人にはこの上ないメッセージを持つなぁ、なんて思います。
実は自分も「やるべき目標」に向けてお勉強資料をバインダーに綴じて持ち歩いたりしていますが、そのバインダーの色は淡いパステルピンク。喩えるなら…、『カードキャプターさくら』の単行本のような…(笑)
みなさんには、そんな「リマインダー」、ありますか?
#ちなみに自分が好む色合いといえば…、まさしく「Tsubasa To...」ヘッダの配色だったり。
□ Re: 《xxxHOLiC・籠》第202回:スト紹です
ソエル/ノーマル(ツバサ) [1931.3] えみ フレンドメール訂正Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 1.1.4322; .NET CLR 2.0.50727; .NET CLR 3.0.4506.2152; .NET CLR 3.5.30729) 2010/03/11(Thu) 13:04
久しぶりにこちらに書きこんでみます。

今回のお話で、猫さんに随分と気に入られている様子の四月一日君に、思わず微笑ましくなってしまいました(笑)

>ちょこさん

>百目鬼遙さんが言うには
>回りに与える影響を最小限にするために留まってるとかですけど…彼、店に来る前には学校とか行ってたはずですが、ひまわりちゃんも四月一日に学校で会ったんだし…そこらへんはもうどうでもいいのか^^;ここで聞いてみてもしかたないですよね…でもここでぼやいたら来週先生答え書いてくれるかしら…?

このあたりの理由は、ツバサではすでに語られていますが、ホリック側ではまだ一度も明確に説明されていませんよね。
いつホリックの方でも理由が説明されるのか、楽しみなところでもあります。
□ Re: 《xxxHOLiC・籠》第202回:スト紹です
譲刃(X) [1931.4] 雨乃 雀 フレンドメール訂正Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; GTB6.4; .NET CLR 1.1.4322) 2010/03/13(Sat) 00:21
毎度ご無沙汰、雨乃です。
本筋に迫る話より、オムニバスが好きな自分としては、
最近のホリックは嬉しい流れです。

>ずんけるさん
>「眼鏡を外し忘れることがある」には少し違和感。

同感です。目がよくなって「掛け忘れる」のならわかるのですが。
眼鏡をはずそうとしたら実はコンタクトで、眼鏡がなくスカした、という経験があります(^^;)

>知らない間に侑子のことを全部忘れ,記憶からも消えて,でも自分には消えたことさえわからないとなったらと考えて,本当に怖かった。

某探偵漫画家のデビュー作品を思い出しました。
大切な人が記憶から消えて、忘れないようにたくさんメモしていたけれど、
そのメモすらも何だったか分からなくなり、捨ててしまってました。
四月一日はそうならないと思いますけど、考えるとやっぱり怖いですよね。

>不安定な自分が周りに与える影響を最小限にする為に 自分の中の時間を止めて

人魚の肉を食べた彼女のように、自分だけ時間が止まってたら、
周りの人への影響は大きいと思うんですけども・・・
結局は、ひまわりちゃんや小羽ちゃんのことより、
侑子さんを待つために自分が選んだことなんだと思うのですが、いかがでしょう??
□ Re: 《xxxHOLiC・籠》第202回:スト紹です
黒鋼(ツバサ) [1931.5] 黒ジィ フレンドメール訂正Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; ja; rv:1.9.2) Gecko/20100115 Firefox/3.6 2010/03/13(Sat) 01:35
今回は,君尋の覚悟そして心中の解説編というわけですね。
遙さんの話は,おおかたは,これまでに,《ツバサ》側を含めて(というよりそっちがおも?)なんらかの形で明かされてきたことを,あらためてまとめ,かつ補ってくれたというわけでしょう。
いっぽうで,君尋のいだいた恐れ,ことに侑子さんのことを忘れてしまうことを恐れる気持ちが,遙さんの解説つきでよくわかりました。こちらはこれまでほとんど触れられていなかったので,しっかり味わわせてもらいました。

雨乃雀さん
> 結局は、ひまわりちゃんや小羽ちゃんのことより、
> 侑子さんを待つために自分が選んだことなんだと思うのですが、いかがでしょう??

「侑子さんを待つために自分が選んだ」のは店にとどまるということであり,それによって「強くなる力」をまわりの人たちを助けるために「も」使う,ということだと思います。

ところで,モコナも加わったらしい「宴会」,君尋のことばにひっかかりました。
「さっき帰ったところです モコナと管狐とで洋酒の良いのばかり10本は空けてくれましたよ」
女郎蜘蛛と管狐の無月は,いわば犬猿の仲のはずです。この言いかただと,女郎蜘蛛は「さっき帰った」わけだから,客が帰ってからモコナと管狐が飲んだというのでもなさそうなのに……。
考えていたら,酒とつまみの用意に三味線もあって手いっぱいの君尋を尻目にわいわいやっている,気楽なモコナと女郎蜘蛛から離れ,すみっこで管狐が酒をすすりつつしゃーっしゃーっと(≒ブツブツと)ひとりくだを巻いている情景が,浮かんできたのですが,それでいいのかな。
あー,それと,今回の対価がまだわからないのですが,これは,あとの話にからむんでしょうか。

ところで,次回のスト紹書きこみは,当方の事情で週の後半になると思います。「待てない!」というかたは,前半のうちにご自身でスト紹を書いてみてください。



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