黒鋼の刃によりアシュラ王が斃れた時、ファイに科せられたもう一つの「呪い」が発動し始める。それは、「紋様」が「鳥籠」となって、彼らの自由を奪うことだった。
飛王は、巧妙に2つの罠を張っていた。1つめは、アシュラ王を誰が殺めるか。ファイが自ら手を下せば、ファイはその後を追うであろう。ファイ以外の誰かが殺めれば、その「誰か」もろとも、「呪い」によって虚無の世界へ追いやることができる。もう1つは、呪いの発動を妨げる因子を取り除くこと。飛王は、セレス国でアシュラ王とファイ以外が魔法を使えば、その者に害をなす呪いをかけていた。…「呪い」の成就を、妨げないように。
呪いの発動より早く、世界を移動しようとするファイ。だが、写身の小狼に「魔力の源」である瞳の片方を奪われたせいで、ファイと黒鋼が閉じた世界から移動することができない。飛王の思惑通り事が進もうとしたその時、次元の魔女・侑子が放った一手が起死回生の「光」を放ち、一穴を穿つ。黒鋼は左腕と長剣・蒼氷を引き替えに、ファイを救い出す。そしてセレス国を、再び4人で脱出することができたのであった…。