トップページデータノートストーリー紹介【ツバサ−RESERVoir CHRoNiCLE−】

Chapitre.43−見えない未来

培養槽の中の人物…。その胎動が、聞こえはじめる。
小狼たちの旅を、鏡越しに見つめる邪悪な眼。
鏡に映し出された小狼の姿は…、ほぼ徹夜で起きていたために、充血した瞳をしていた。
昨夜の星史郎との再会。
「推測も大事だけれど、それは真実じゃない。」
…だから、小狼は知りたかった。なぜ星史郎が異世界である桜都国にいるのか。そして、新種の鬼児と何か関係があるのかを。

朝食の後、小狼は黒鋼と市役所に出向いた。目的はもちろん、新種の鬼児とそれを従える者の情報。しかし、市役所員は「新種の鬼児は存在しない」「『鬼児を従えるモノ』についての情報は教えられない」としか答えない。唯一、その情報を教えてもらえたのは、鬼児狩りしか入れず、強者ですら生還率が7%という『小人の塔』だということだけだった。

 小人の塔にたどり着いた二人。二人とも特に怪しい気配を感じなかったが、そもそも鬼児に生きている気配はないらしい。
 塔の中は暗闇だった。しかし、目は見えずとも「気配が見える」。そう気づいた瞬間、二人に蛾のような鬼児が襲う! どうやら、塔の中で歩を進める毎に鬼児と対峙することになりそうだ。

 上の階へと進む二人。またも、生きているものの気配はない。生きてないものの気配もない。何もない?…そう思うやいなや、小狼の身に魔手がまとわりつく! そこは、なんと「部屋全体」が鬼児だったのだ!斬っても別の魔手が再び彼の身を捉え、じわり締め固めていく…。

 一方、喫茶「猫の目」のニャンココンビ。
 皿洗いの途中に眠りに落ちたさくらを、ソファへと運ぶファイ。
 そこに訪れた男の影。それは、まさしく星史郎のものであった。
 ファイと星史郎。瞬時に、互いが高い魔力を持つことを見抜く。
 星史郎がカフェを訪れた用件…、それは二人に「消えてもらうこと」!
 そのことを口にするやいなや、彼の背後から鬼児の姿が現れた!